肌の場所によって化粧品の浸透が違うの?

2025年12月20日

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肌の場所によって化粧品の浸透が違うの?

化粧水や保湿クリームをつけたとき、顔は刺激感があるのに、身体に塗ってみたら大丈夫なんていう経験はありませんか?
例えば腕で試して大丈夫だったのに、頬に塗ったら赤いブツブツができたというような。
これはいったいなぜでしょうか。
それは体の部位によって吸収が違うため、反応に差が出たのです。

部位による吸収の違いとは?

下図はJ Invest Dermatol 48:181-183の研究結果の数値を参考にしてイラストにしました。
腕の内側の吸収を1.0とした場合の比率を表しております。

たとえば頬の吸収は腕の内側の13.0倍ということになります。
基本的に顔と陰部は角質層が薄いので、何かを塗った場合、吸収されやすく、刺激感も感じやすくなります。逆に、手のひらや足の裏は角質が厚いので薬や化粧品はなかなか入っていきません。
医薬品を例にすると顔の湿疹用に処方された軟膏は手の湿疹には弱すぎますし、逆に手湿疹に処方された軟膏を顔や陰部につけると強すぎて副作用が出てしまいます。
このような吸収率の差がありますので、化粧品が合うかどうかわからない場合はまずは腕で試してから顔に使っていただくのが安心です。

皮膚の役割とは?

皮膚は人の体のすべての表面をおおっており、最も大きな臓器で大切な存在です。
皮膚が身体を保護しなければ細菌やカビ、ウイルスなどに侵され、また様々な刺激にも耐えられません。
皮膚は、大きく分けて表皮、真皮、皮下組織の3層構造をしています。

若い時期は皮膚の厚みもしっかりしていますが、加齢によってだんだんと表皮や真皮は薄くなっていきます。
顔の場合、若い肌の表皮は、基底層は1層、有棘層は5~6層、顆粒層は2~3層、角質層が約8~10層です。 それが老化現象によって有棘層が2~3層、顆粒層が1~2層、角質層が4~5層と薄くなってしまいます。
表皮は保湿機能やバリア機能を担う層なので、それが薄くなると肌が乾燥したり、刺激に弱くなって湿疹が治りにくくなることがあります。
これは年齢によるものだけではなく、過剰なスキンケアによっても肌は薄くなるので、ピーリングやオイルクレンジングなどは気をつけてケアをすることが大切です。

この記事の監修

【株式会社アイ.エム.ワイの総括製造販売責任者】
薬剤師の資格を持ち、アイエムワイ製品の製造販売において総括的な責任者。専門的な知識をもってTOPICSを監修しています。


【参考資料】
・Feldman RJ, Maibach HIRegional variation in percutaneous penetration of 14C cortisol in man. J Invest Dermatol 48:181-183
・清水 宏、あたらしい皮膚科学第3版(中山書店)、p1-10
・杉林堅次、経皮吸収の原理・その実際・今後の期待、オレオサイエンス第17巻、11号、p549-558(2017)