【Q&A】第三回目:化粧品の取扱いについて

【Q&A】シリーズでは、皆様からいただいた化粧品やスキンケアに関するご質問を中心に、アイ.エム.ワイ化粧品の「ソーセキ(総括製造販売責任者)」監修の元、薬学、化学、法律の知識を以って回答します!是非お役立てください☆
② 「無香料」と表示された化粧品を買ったのに、においがします。なぜですか。
③ 子どもがクリームをなめてしまいました。大丈夫でしょうか。
④ 化粧品に書かれている「原産国」とは何でしょうか。
⑤ 化粧品はすべて弱酸性なのですか?弱酸性でないと肌によくないというのは本当ですか?
⑥ 化粧水などを冷蔵庫に保管してもよいのでしょうか?
① 化粧品には使用期限が書いてありません。なぜですか?
医薬品医療機器等法では、製造後3年以内で変質する化粧品を除き、使用期限を表示する必要はないとされています。いったん開封してしまった化粧品は、早めに使いきるようにしましょう。
来シーズンに再度使用したい場合は、高温多湿や温度変化の大きい場所は避け、日の当たらない場所で保管することをおすすめします。
② 「無香料」と表示された化粧品を買ったのに、においがします。なぜですか。
「無香料」とは「香料を成分としては配合していない」という意味です。香料が配合されていなくても、その化粧品に使用された油分や保湿剤などの原料そのもののにおいが、少しですが感じられる場合があります。
③ 子どもがクリームをなめてしまいました。大丈夫でしょうか。
濡れたガーゼで口の中をふき、(飲んだものを薄めるために)水や牛乳を飲ませて様子をみながら、気になるときは、飲んだり食べたりした化粧品と全成分表示が書かれているものを持参して医師の診断を受けるとよいでしょう。
クリームに限らず、化粧品の原料には安全性の高いものが使われていますので、たとえ誤って飲んだり食べたりしても、特に危険はありません。ただし、ネイルカラーや除光液、脱毛剤、脱色剤などは、粘膜に炎症を起こす恐れがあり大変危険です。くれぐれも誤って口に入れることのないよう十分注意し、万一飲んでしまったときには、吐かせたり水を飲ませるなどの処置をするとかえって危険なので、何もせずにただちに医師の診療を受けてください。
小さな子どもにとっては、色とりどりの化粧品は好奇心をくすぐります。化粧品は、日ごろから子どもの手の届かない所に保管し、使用後は必ずきちんとキャップを閉めるようにしましょう。
④ 化粧品に書かれている「原産国」とは何でしょうか。
化粧品に表示されている「原産国」とは、その製品の最終的な中身を製造した国のことをいいます。原料を生産した国ではありません。ただし、「原産国」が日本の場合には、表示の義務はありません。なお、「原産国」がどこであっても、日本国内で販売されている化粧品は、日本の法律によって管理されています。
⑤ 化粧品はすべて弱酸性なのですか?弱酸性でないと肌によくないというのは本当ですか?
肌は一般的におよそpH4.5~6.5で、弱酸性に保たれています。肌を弱酸性の状態に保つことは、表皮ブドウ球菌が棲みやすく、肌トラブルが起こりにくい状態です。
そのため、ほとんどの化粧品は肌と同じ弱酸性で作られていますが、化粧品の使用目的や特性によってpH値は少しずつ異なり、石けんや化粧水などには、弱アルカリ性のものもあります。「脂性肌に悩まされている」「汚れを落としたい」などの場合、アルカリ性に傾ける傾向があります。
このような化粧品を使用すると、肌の表面は一時的にややアルカリ性に傾きますが、健康な肌には、肌の表面を常に一定に保つ働き(アルカリ中和能)があるので、使用後しばらくすると、自然にもとのpH値に戻ります。特に肌への影響を心配することはありません。
⑥ 化粧水などを冷蔵庫に保管してもよいのでしょうか?
化粧品は冷蔵庫に入れる必要はなく、常温で保管できます。むしろ、冷蔵庫からの出し入れによる温度変化が原因で品質の安定性が保たれなくなることが心配です。クリームや乳液などは分離する可能性もあります。
1回で使い切る「炭酸発酵エアパック」のような商品であれば冷蔵庫への保存も問題ないでしょう。
夏季には、清涼感を高めるため一時的に化粧水などを冷蔵庫で冷やしたいという声も聞きますが、品質の安定性を保つため、おすすめしていません。化粧品は温度変化が少なく直射日光のあたらない、常温の場所に保管するようにしましょう。
※夏季は特に、室内でも直射日光のあたる場所や、屋外(特にプールやビーチ)、駐車した車の中などの高温になる場所に化粧品を放置しないように気を付けましょう。

この記事の監修
【株式会社アイ.エム.ワイの総括製造販売責任者】
薬剤師の資格を持ち、アイエムワイ製品の製造販売において総括的な責任者。専門的な知識をもってTOPICSを監修しています。
【参考文献】日本化粧品工業会ホームページ化粧品Q&A