化粧品選びで知っておきたい3つの保湿成分

2026年6月20日

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以前こちらのTOPICSで保湿成分の種類と役割について解説しましたが、今月のTOPICSでは少し深堀りして、代表的な保湿成分である「ヒアルロン酸」「NMF(天然保湿因子)」「スクワラン」の特徴を役割ごとにご紹介します。


なぜ、今「保湿」が重要なのか

梅雨を迎える6月は湿度が高まるため、肌が乾燥しにくいと思われがちです。しかし、この時期も保湿ケアは欠かせません。
気温の上昇とともに汗や皮脂の分泌が増える一方、紫外線量も急激に増加します。紫外線は肌のバリア機能を低下させ、水分保持力にも影響を与えるため、保湿ケアとUV対策はセットで取り組むことが大切です。
また、冷房の使用が始まると室内の空気が乾燥しやすくなり、気づかないうちに肌の水分が失われることもあります。肌の表面が汗や皮脂でしっとり感じられても、角質層の水分が十分とは限りません。表面はべたつくのに、内側では水分が不足しているというアンバランスな状態になることもあるのです。

① ヒアルロン酸|たっぷりの水分を抱え込む保湿成分

ヒアルロン酸は、ムコ多糖類(体内にもともと存在する糖質の一種で、水分を抱え込む性質を持つ成分群)の一種で、非常に高い保水力を持つ成分です。わずか1gで約6Lもの水分を保持できるといわれており、多くのスキンケア製品に配合される保湿成分の代表格です。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在していますが、加齢とともに減少することが知られています。一般的に20代をピークに徐々に減少し、60代では約25%程度にまで低下するといわれています。
化粧品に配合されたヒアルロン酸は角質層の表面にうるおいを与え、肌をしっとりとした状態に保ちます。水分で満たされた肌はキメが整いやすく、光を均一に反射するため、みずみずしくツヤのある肌印象へと導きます。乾燥によるごわつきやうるおい不足が気になる方におすすめの成分です。

ヒアルロン酸を配合したアイテム

ローションMG
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ディープモイスチャーローション
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② NMF(天然保湿因子)|肌本来のうるおいを支える成分

NMF(Natural Moisturizing Factor:天然保湿因子)は、肌の角質層に存在する天然の保湿成分の総称で、皮脂膜、細胞間脂質とともに「肌の三大保湿因子」のひとつとして知られています。
NMFはその中でも周囲の水分を引き寄せる吸湿性と、水分を保持する働きを担っています。

NMFを構成する主な成分

NMFはひとつの成分ではなく、さまざまな低分子成分の集合体です。代表的なものとして、アミノ酸・乳酸・尿素・PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)・クエン酸塩・ミネラル類などが挙げられます。
なかでもアミノ酸はNMF全体の半分以上を占める重要な成分で、アミノ酸系の保湿成分を配合した化粧品は乾燥肌向け製品によく取り入れられています。また、PCA-Naや尿素も優れた吸湿性を持ち、肌のうるおい維持をサポートする成分として知られています。

NMFが不足するとどうなる?

NMFは加齢や乾燥、紫外線、過度な洗顔などによって減少することがあります。不足すると肌が水分を保持しにくくなり、乾燥しやすい状態になることも。
そのため、洗いすぎや摩擦を避け、保湿ケアを日課にすることが大切です。
また、アミノ酸やPCA-Naなど、NMFの構成成分に近い保湿成分を含む化粧品を活用するのもひとつの方法です。

NMFを配合したアイテム

ディープモイスチャーローション
※天然保湿因子の主成分PCA-Na(保湿成分)配合

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エモリエントクリーム
※天然保湿因子の主成分PCA-Na(保湿成分)配合

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③ スクワラン|うるおいを守る保湿サポート成分

スクワランはもともと深海ザメの肝油から発見された成分ですが、現在はオリーブやサトウキビなど植物由来のものが主流となっています。
ヒアルロン酸やNMFが「水分を保持する成分」だとすると、スクワランは「水分を逃がさないための成分」です。肌なじみがよくべたつきにくい上、化学的に安定していて酸化しにくいため、スキンケア・メイクアップ製品を問わず幅広く使用されています。
水分を直接補給するのではなく、肌表面にうるおいのヴェールを形成して水分の蒸散を防ぐ「エモリエント作用」を持ちます。自然由来の成分を好む方にも人気が高く、ナチュラルスキンケアとの相性も良い成分です。

スクワランを配合したアイテム

モイスチャークリーム
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ミルクローション
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まとめ|保湿成分は組み合わせが大切

保湿ケアは、ひとつの成分だけで完結するものではありません。ヒアルロン酸が水分を抱え込み、NMFが水分を引き寄せて保持し、スクワランがうるおいを閉じ込める——それぞれが異なる役割を担っており、組み合わさることで効果を発揮します。
保湿力の高いスキンケア製品の多くは、こうした成分をバランスよく配合することで、肌のうるおい環境をサポートしています。成分表示を確認する際は、単一の成分だけでなく「どのような保湿成分が組み合わされているか」にも注目してみてください。

この記事の監修

【株式会社アイ.エム.ワイの総括製造販売責任者】
薬剤師の資格を持ち、アイエムワイ製品の製造販売において総括的な責任者。専門的な知識をもってTOPICSを監修しています。


【参考文献】
日本化粧品工業会ホームページ化粧品Q&A
② 室田 浩之、保湿による皮膚疾患の予防・肌の保護、日本皮膚科学会雑誌132巻 6号p1457-1461(2022)
③ 宮地良樹、安部正敏、エビデンスに基づくスキンケアQ&A(中山書店)
化粧品オンライン(ヒアルロン酸、NMF、スクワラン)
⑤ Longas MO et al.: Evidence for structural changes in dermatan sulfate and hyaluronic acid with aging. Carbohydr. Res. 1987;159:127–136.
⑥ 高橋康之、保湿化粧品とその作用、日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 4, pp. 280–287(2018)